院長コラム

【2015.01】安全で確実な治療をするために

 

 最近はインプラント治療もデジタル化が進み、CT(コンピュータ断層撮影)によってあごの骨の精密な立体画像を得ることができるようになりました。レントゲンではわからなかった骨の厚さや血管や神経な位置までもが鮮明な画像として得られます。

 

 こうした画像によってドクターの経験や勘に頼っていた部分を補うことで、経験の浅いドクターでも診断が容易になり、手術のミスなども回避できるようになってきています。

 

 ただ、こうしたコンピュータで処理された画像に頼り切ることの危険性がないとはいえません。というのは骨質、とくに骨密度など骨の状態などは実際に目で見て確かめて実際に削ってみないと判断できないということがあるからです。また、コンピュータ画像処理上のエラーが絶対に起きないとはいえません。

 

 そうしたこともあり、当院ではCT撮影は行いますがそれだけではなく、目で見て確かめ、触診するなどしてしっかりと骨の状態を確認した上で手術を進めていきます。

 

 フラップレスといって、歯肉を切開せずに歯肉の上からピンポントでインプラントを埋め込む術式があります。切開しないために傷が少なく、治りが早いというメリットがありますが、実際の骨の状態を確認していないため、万が一、骨質が悪ければ、インプラントはうまく骨につかないというリスクが伴います。

 

 当院でもフレップレス手術については骨の状態が非常によいと判断された場合には行っていますが、そうしたケースはごくまれで、通常は骨の状態を目で確かめて、必要であれば骨造成を行ってからインプラントを埋入します。

 

 それだけ時間はかかってしまいますが、より確実で患者さまのご負担の少ない方法を選択しています。

 

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