骨造成が必要な患者さまへ

インプラント治療に際して、あごの骨が十分でない方の場合は骨造成を行います。当院でも歯周病等で歯ぐきの骨がやせてしまい、そのままではインプラントが露出してしまうので骨の造成を必要とする方が多くいらっしゃいます。実際の治療ではインプラント埋入時に自家骨や骨補填剤などを用いて、必要な部位に骨を再生させます。

当院ではこの骨造成に際して、インプラントの成功率をより高めるためにCGF・AFG療法という再生医療を用いています。患者さんにとってメリットも大きく安心、安全な治療なのでお勧めしています。

CGF・AFG療法とその治療の流れ

CGF・AFG療法は、インプラント手術当日に患者さまの腕から採血(約10ccほど)し、この血液を専用の遠心分離機に13分ほどかけて、血液中の有用な成分であるCGFとAFGを抽出して用います。

CGF(Concentrated Growth Factors)は、血小板濃縮フィブリンというたんぱく質で成長因子や血小板を多く含みます。ノリのような粘着性があるので、圧接して薄くのばし、造骨する部位を覆う膜として使うことができます。

AFG(Autologous Fibrinogen Glue)は赤血球・白血球・血小板を除いた成分(血漿)で、顆粒状の骨充填剤や自家骨を混ぜると、柔らかな骨のような状態になるため、造骨したい部位に合わせてカットして骨の欠損部分に移植することができます。従来の顆粒状の造骨剤に比べて、自在に形成できるので操作性は非常によいといえます。

インプラント埋入後に造骨したい部位にAFGを移植し、CGFで造ったメンブレン(膜)で覆い、最後に歯肉を縫合し、骨が造られるのを待ちます。

実際にはCGF・AFG療法は、上あごにインプラントを埋入する際に行うサイナスリフトやソケットリフトという手術法において骨量が足りない場合や、GBR法(骨誘導再生法)に用いることが多くなります。最近では抜歯即時埋入法の場合にも、この療法を用いることで傷が腫れずに軟組織も早く回復するという治療効果をあげることができます。

CGF・AFG療法のメリット

CGFには成長因子が含まれているので、抜歯したあとの傷口に用いれば、傷の治りも早くなり、腫れもほとんどありません。

インプラント治療の際も骨や歯周組織の再生を促進させるため、治療期間の短縮につながります。

従来の方法では造骨する部位を保護するために、造骨剤を充填したあと、上から人工的なシート(メンブレン)で覆います。その際、骨造成に必要なスペースを確保するため、形成自在なチタンメッシュのシートで空隙をつくっておくという方法もあります。ただ、このときにネジ止めをしたり、最終的には再び歯肉を切開して取り出さなければならないなど患者さまへ負担も少なくないといえます。

吸収性のメンブレンもありますが、コラーゲンでできた膜なのでチタンメッシュに比べると強度の面では劣るといわざるをえません。

最後にメンブレンの上から歯肉で覆うのですが、万が一、歯肉が開いてしまった場合、細菌が入って感染症を引き起こす原因ともなります。

CGF・AFG治療ではメンブレンのかわりにCGFを用いることで、しっかりと傷口に密着するため、細菌感染のリスクが減少し、安全で確実な治療が行えます。また、一般的なメンブレンやチタンメッシュのように再手術の必要もありません。

また、治療に用いる材料はすべて患者さまの血液から抽出したもので、ウシやヒトのトロンビンなどの凝固剤など添加物を一切加えない完全自己血由来なので副作用の心配もありません。感染リスクも低減し、安全、安心な治療法といえます。

CGF・AFG療法を導入に際して

CGF・AFG療法を導入している歯科医院はまだまだ限られますが、当院では骨造成をする患者さまが多いこともあり、非常に有効な治療法と判断していち早く導入し、大きな成果をあげています。

導入に際しては遠心分離機などの専用の設備とスペースが必要であることはもとより、細かな規定をクリアし、厚生労働省から認可を受けなければいけません。とくに再生医療に関しては非常に厳しい規定が設けられているため、それだけ提出する書類も多くなっているようです。

CGF・AFG療法は保険が適用されず、5万円ほどかかります。患者さまにはそれだけ経済的なご負担となりますが、インプラント治療の確実性と安全性、患者さまの身体的な負担の軽減などを考慮すると、受けるだけの価値のある治療法だといえます。当院の患者さまのほとんどがこの療法を受けられ、満足していただいています。

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